アラカンの手習い
60前後の人間のことを40前後のアラフォーのもじりで「アラカン」といったのは、たしかタレント(これも私の嫌いな言葉の一つ)の高田純次だったと記憶している。来年還暦を迎えるアラカンだが4月から少し生活を変えた。まずポッドキャスト依存症から抜け出るために聴く番組を半分以下にした。今取り組んでいる病院改革には4年も5年もかかる。当分現役引退もないし老親のこともあって海外移住は夢のまた夢。英語でドラマを見るのも、海外ニュースを聞くのも嫌いではないが、もともと英語の通じる国で生活をする準備として始めたこと。ブログの更新が滞っているのも、一部にはポッドキャスト依存症のせいということもある。自分にとって必要不可欠のものでないことで時間を使いすぎるのはそろそろやめにしようと思い立った。
空いた時間は「読書に使っていると」いえたらいいのだが、半分ぐらいは音楽を聴くことに消えている。インターネットラジオで気に入ったジャズプレーヤーを見つけ、その曲をダウンロードするのが最近の私の楽しみ。
もう一つ始めたのがフランス語の勉強。今までドイツ語、スワヒリ語、韓国語とかじってきたが、フランス語ばかりは30年以上前上の娘がまだ生まれる前に一月ほどやったことがあるだけ。ただ以前から「タイム」誌の記事などにさかんにフランス語の単語が登場しているのは知っていた。発音はそれほどでもないだが、「リエゾン」で単語の切れ目がわからなくなるのが難しそう。かじる程度にはいきたいと思う。
物忘れ、言いたくはないが
最近ずいぶんひどい物忘れをするようになった。仕事柄いろいろ会議だとか人と会うだとか言う用事がある。患者さんのご家族に会うのも大事な仕事の一部。たまに間違えて二組の予定を同じ時間に入れてしまったりしたこともあるが、これは「申し訳ない」ではすまない。そこで今使っているのが ポケットPC。紙製の手帳でもいいのだろうがスペースが限られてるし、PCだとアラーム機能がついているので予定が入っていることをあらかじめ教えてもくれる。
ところが元々が物忘れがひどいためにとった苦肉の策。肝心要のポケットPCをどこかに置き忘れてしまうという失態を演じてしまった。たった今誰かに会う約束をしていたかどうか記憶にない。今日の予定がわからない。その上予定表以外にため込んでおいた仕事上のデーターがなくて困ってしまう。幸いPCにはロックをかけていたので誰かに拾われてもそう簡単には悪用はされないだろうし、個人情報のたぐいは入れていなかったが、うっかりではすまないことだ。買い直そうかとも思ったがそれもしゃくだし、もったいない。一週間ほどしてひょっこり出てきたときは本当にほっとした。家人はその間私が「とっても機嫌が悪かった」と言っている。仕事の効率もがた落ちでほとほと困ってもいた。デスクトップにデーターをこまめにバックアップしておかないと大変なことになるなと実感した。
さて物忘れしやすいのは私のような市井の人間だけではないようだ。選良=政治家の先生方の中にもずいぶんひどい物忘れをする方がいらっしゃるようだ。一年ほど前のことだ。ガソリン税の暫定税率を延長する法案が参議院で否決されガソリンの価格が下がったときのことだ。つぎのような御高説を述べられた政治家がいらっしゃった。
資源がない日本は、イギリス型の環境保全国をめざさなければなりません。それなのに、4月1日からのガソリン値下げはアメリカ型の消費大国を容認するようなものです。京都議定書の議長国がこれでは困ります。ここのところを民主党はどう説明するのかなと質疑を聞いていて思いました。同じようなことを福田首相(当時)も述べている。ただ一年前にぼんやりの私でさえも、そのガソリン税が高速道路を造ることに使われているのは「環境対策」になっていないことは気がついていた。さて昨日今日はマスコミがこぞって、麻生総理(一部でアホーバカタロウと陰口も叩かれているらしいが)のおかげで高速料金が下がり、そのために高速道路を利用する観光地が大賑わいだと伝えている。環境に優しいグリーンな自民党の総裁がこんな政策をとっても与野党から批判が出てこないのは、いかがなものか(マスコミ流(笑))。ずいぶんひどい健忘症にかかってはいないだろうか。ひょっとして過去にこだわらない柔軟な思考力こそが政治に必要なのかもしれないが、傍目にはいささか病的にも映るのだが。
本は読むな、聴け(?)
またまた長ーーい中断だった。最近活字に倦んでいるのではないかと思う。書くことも読むことも苦手になってきて、今では仕事で書類を書き雑誌を読むのがやっとという状態になっている。年かなと思わないでもないが、体力は充実していて体脂肪率は成人になってから最低レベルにある。年のせいにはしたくはない。ひょっとしたら知力だけ落ちているのかもしれないが、こんなことを考えても仕方がない。
反省点としては限られた時間をポッドキャストに使いすぎていることがある。平均で1日2時間ポッドキャストでいろいろな番組を聴いていて、テレビ番組も1〜2時間はみていたら、確かに時間があるはずがない。そう思ってだいぶ定期に聴く番組を減らした。ところが。余った時間を今度は小説を聴く方に向けてしまったのだから処置なしだ。前回から2冊の小説「The Associate」と「Down and Out in Paris and London」を、読み終えたではなく、聴き終えた。前者はジョン・グリシャムの弁護士もの、後者はジョージ・オーウェル本人のスラム暮らしを描いた日本でいえば私小説にでも入りそうなもの。どうやらこれが私にはあっているようだ。二つとも朗読を聴いているだけで8時間ぐらいはかかるのだが、活字にしたらきっと読み終わるのにその倍はかかるだろう。しかも朝夕の通勤の時間を使っているので時間の有効活用にもなる。昔から古典を読んでいないことにコンプレックスを感じていたので、今まで敬して遠ざけてきたものをいろいろ聴いてやろうと思っている。しかし「神曲」や「戦争と平和」あたりになると朗読時間が1日以上になるそうだ。ぼちぼちやっていきましょうかね。
同窓会、および のようなもの
困ったことに日記が週報になり、月報になってきて、そのうち四季報から年報になってくるかもしれない。それぐらい更新が遅れてきている。政治はかみつくのがばかばかしくなるほど低レベルだし、景気は悪いし、仕事をしていたほうがよほど気がはれる。しかしそれはいいわけに過ぎない。
発言することに対する疲労感みたいなものが、ここ数年どうやら私の中に住み込んでしまっている。これは決していい傾向ではないのはよくわかっている。
今仕事以外で何をしているかといえば、もっぱらポッドキャストで科学系や医学系のニュースをひたすら聞いている。残りの時間、ジョン・グルシャムの「Innocent Man」というドキュメンタリー小説を聴いていた。1980年代のアメリカの田舎町で起きた二つの殺人事件とそこで生まれたえん罪事件を題材にしたものだ。見込み捜査と長時間に及ぶ取り調べ、自白に偏重した証拠調べ、エセ科学的な「鑑定」など、日本のえん罪事件とうり二つの構造がそこにある。そこにはアメリカの法廷ものに出てくるような敏腕弁護士も常識ある陪審員もいない。日本と違ってきているのはアメリカではえん罪を減らす努力がつみ重ねられているのに日本ではその構造をなくそうという動きがほとんど見えないということだ。先日日本の黒い夏をみたが、見込み捜査をする警察と批判精神を持たないマスコミが無垢の被害者を容疑者扱いする恐ろしさを再び感じた。そんなことを思っていたら先日本屋で某元総理大臣推薦の本というのが目にとまった。「なぜ被害者より加害者を助けるのか 」。刑事被告人は刑が確定するまでは無罪とされると言う憲法の規定がどこかに飛んでいってしまったようなものを、一国の代表まで務めた人間が推薦するというのは漫画のいきを超えている。ものを書いたりいったりするのがおっくうになるのはこんな時だ。
そんな鬱々とした私だが、とても楽しいことがあった。先週の土曜日、F市で懐かしい人たちと会った。20年以上前、私が働いていたN病院で一緒に仕事をしていた医師と医局秘書をしていた事務の人が私を囲む会を開いてくれた。そこの病院は地域の救急病院で毎晩のように救急車が飛んでくるところで、「野戦病院みたいだ」といわれていた。そこで大学を卒業したばかりの若いドクターと一緒に泣いたり笑ったりしながら過ごした日々は、私にとってかけがえのないものだったと、今にして思う。年齢構成は幅広い(私が飛びはねて年取っている)が、いわば同窓会のような雰囲気のものだった。来年私の還暦にあわせてもう一度会を開いていただけるという。ひたすら感謝だ。特にM県からわざわざ飛行機で来てくださったK先生にはとても会えると思っていなかったので言葉もない。
月曜には今度は高校の同窓会の案内が来ていた。こちらは来年の正月だという。気が早いことだがスケジュールは空けておこうと思う。
今年の目標
2009年になった。気がつけばあと一年で還暦だ。確かに孫がふたりもいるのでおかしくはないのだが、頭の方が少しも進歩していないのでどうもその実感がない。
アメリカなどでは「New Year's Resolution」といって、年の初めに「今年はこれをする」とかいう新年の誓いをするのが恒例になっているらしい。西洋かぶれの私としてはここは新しい目標を立てるときだと決意した。
ずばり今年の目標は体脂肪率12%だ。今が16%弱なので不可能な数字ではないとおもう。そうはいっても脂肪量として3キロ弱の壁は結構手強い。そこで年末に買ってきたのが筋トレの専門雑誌「TARZAN」。今までも腹筋とか腕立て伏せはやってきたのだが、もっと系統立てて筋力をつけようというねらい。筋肉を落とさずに脂肪だけ落としたいという無茶な目標を実現するためには、ここは専門家のアドバイスの助けを求めよう。
隣町の町立のジムはいま正月休みだが、あけたらせっせと通って、ランニングマシーンで今年中に一度に十キロのランが出来るようになりたい。そうすれば、市民マラソンぐらいには出られるかもしれない。
頭を鍛える方は望み薄だが、このところ休んでいるお習字をもういちどはじめようとおもう。
アトキンスダイエット中間総括
ダイエット開始からそろそろ5ヶ月になる。体重は順調に低下して約8キロ減。現法では控えるように言われているアルコールとカフェインはそのままで、特に深刻な感じなくやせられるというのは、一種のカルチャーショックと言っていい。
痩せていっているが正直どうして痩せられるのかがよくわかっていない。ただ自分の体験から今までのカロリー理論には穴があるように思える。
1.人間に炭水化物が必要とは本当か。
私は医学部にいる頃から「脳は糖しかエネルギー源として利用できないので炭水化物が必須栄養素だ」と教わってきた。しかし私はこの4ヶ月ほど炭水化物をほとんどとっていないが、低血糖発作も脳機能の低下も、自分ではないように思える。ではこの間私の脳は何を栄養にしてきたのだろうか。じつは脂肪が分解したときに発生するケトン体が、脳の栄養素としてきわめて有用だということが教科書にも書いている。
2.摂取したカロリーより消費したカロリーが多いとき、その分が脂肪の分解でまかなわれる。それが体重減少になるというのは正しいのだろうか。
私はここ2週間で約2キロ体重が落ちた。少なくともそのうち半分は体脂肪だが、1キロの脂肪が燃えると8000キロカロリーのエネルギーになる。エクササイズで減らしたのだろうか。自転車に乗って1時間、約240キロカロリー、ランニングでは1時間でおおよそ360キロカロリーだ。いくら食事療法を加えても二日間の絶食と10時間のランニングでなければこの減量は説明できない。何よりそんな無茶なことはしていない。どうやらカロリー理論だけで説明できない脂肪分解のメカニズムがあるのだと思える。それはおそらく様々なホルモンによる脂肪分解作用がそれに当たるのだと思う。
3.肥満はカロリー摂取の過剰や脂肪のとりすぎが原因だろうか。
いままでさまざまなダイエット法の有効性が試されてきたが、低カロリー食や低脂肪食が減量に効果があったという報告はほとんどない。それはいままでもっぱらリバウンドのせいだとされてきたが、ひょっとして全く間違った目標に対して間違った戦略を立てていた可能性はないだろうか。アトキンスダイエットにはほとんどリバウンドはないことは今年初めに報告された比較試験の結果からも明らかだ。
ほぼ目標体重には到達したがもう少し体重を絞って20台の肉体を手に入れたいと妄想をたくましくしている。
お前が言うな猪瀬直樹
また別の日の昼過ぎ何となくテレビを見ていたら、独立法人が職員に昼食代を給与とは別に支給していたという話をやっていた。おいおいまたかよと飽きれてみていたのだが、そこに出てきたのがあの、あの猪瀬直樹(!)だ。小泉の似非「改革」を持ち上げた罪深き文化人(?)の一人で、今では東京都副知事という椅子にちゃっかり座っているという。そいつが言ってくれたもんだ。
「税金の無駄遣いだ」
おいおい、そんな事言っていいんかい?東京都副知事さん。新銀行東京という泥舟に1000億円という金をつぎこんんだのは誰だったかな?元祖似非文化人=石原慎太郎東京都知事だったはず。テレビ局もよりによってこんな賞味期限のきれた偽者にコメントを依頼しなくてもいいんじゃないかな。マスコミがこんなだから偽者が跋扈するんだろうけど。