涙なしには読めない

昨日ペシャワール会から会報の号外が届いた。アフガニスタンでボランティアとして活動中に凶弾に倒れた伊藤和也さんの追悼号だ。再び前途ある日本の若者が狂信的排外主義の犠牲になったことに私は戦慄を覚えるのだが、会報の文章から伝わってくるのは怒りではなく深い悲しみであり、復讐ではなく平和への祈りだ。中村医師のお別れの言葉は、涙なしには読めない。
伊藤くんを殺したのはアフガン人ではありません。人間ではありません。今やアフガニスタンを蝕む暴力であります。(略)戦争と暴力主義は、無知と臆病から生まれ、解決にはなりません。
ペシャワール会アフガニスタンで働いていた日本人スタッフの総引き上げを決定したそうだが、今後の事業展開がどうなるのか、大いに気になる。ただ様々なしがらみから、自ら海外の現場に出るのではなく、日本国内にとどまって海外で働く人たちを支援する立場を選択した身として、微力だがしっかり支えていきたいと思う。