忙しい一週間(その2)

金曜日の夜遅く戻って翌日午前中が仕事。2日間休んでいるうちに患者さんの状態も変わっているし書かなくてはいけない書類もたまっている。帰宅してその夜今度は長崎に。翌朝から「臨床内科医学会」という開業医向けの学会で、研究発表よりは教育講演が主体。最初のプログラムがHIV関連の教育講演で、特に目新しいものはなかったが、長崎市内でも専門医がその気で診ればHIV感染者が見つかっているという現実は、「やはりそこまできているのか」という思いがした。二日間の昼ご飯は「ランチョンセミナー」といって、スポンサー企業からお弁当が出てそれを食べながら講演を聴くというスタイル。まだアトキンスダイエットは続けているので、ご飯などは食べられないから半分以上は残すが、それでも満腹にはなる。今までどれだけ食べ過ぎていたかが良くわかる。二日目の午後は市民向けの講演会が予定されていて落合恵子が話をするという。題が「母に聴かせる子守歌」と言うからおそらく自分の介護体験でも話をするのだろうが、例の井上ひさしの一件以来私は彼女の言うことも書くことも全く信用しないので、そのまま長崎駅に直行。家に着いたのが夕方。翌朝からまた月曜日が休みだった分の仕事も片付けながら火曜水曜と往診をこなしてやっとひとごこちという感じだ。
二つの出張を通じて痛感したのが医療の電子化、IT化と個人情報の管理の重大さだ。チーム医療と言って複数の職種、場合によれば複数の職場の人間が一人の患者さんの治療に共同で関わるようになることが、IT化でいっそう進んでくると、誰でも見られる情報をどれだけ秘匿するかという難しい課題が出てくる。医者が汚い字でドイツ語でカルテを書いて、誰も何を書いているかわからない時代は遙か昔の話になった。さてどう対応しようか。大きな組織になればなるほど難しくなる。しっかりやるしかないが結構大変だ。