<人のあらはよく見える>と言うことではすまされまい

町村というのは確か官房長官だったはずで、その発言は世間の注目(と当然ながら激しい批判)を浴びるものだが、それにしてもずいぶんお粗末だと言うしかない。

町村信孝官房長官は19日夜、千葉県市原市内のホテルで講演し、通常国会の焦点であるガソリンにかかる暫定税率問題を巡り、「ガソリンの値段を下げればそれだけで日本の環境問題はそんな程度の取り組みなんだということになる。そのマイナス効果は計り知れないものがある」と述べ、環境問題の観点からも税率維持が不可欠との考えを強調した。
確かに彼のいうとおり、ガソリン税が下がったら、ガソリンの消費が増えることはあれ減ることはない。しかし今その税金がどこに使われているのか考えてみれば、それはただの詭弁だと言うことが明らかになる。これは道路特定財源として、道路整備(というよりは山を削り畑をつぶして高速道路を作るため)に使われている。ガソリン価格が下がって皆がドライブに行く(果たしてここまで景気が悪くなった今そんな余裕があるかどうかは別にして)のはいけないが、高速道路をばんばん造って今まで以上に高速運転するドライバーが排気ガスをまき散らすのはいいという理屈はあり得ない。すくなことも私にはそう思える。
いっそどうだろう。ガソリン税はそのままにしよう、車を運転して環境に負荷をかけている以上仕方がないとあきらめる。その代わりその税金を道路を造るためではなく、エコカーを購入する際の補助金とか、家庭用の太陽電池補助金に充てるとか、環境対策の費用にしたらどうだろうか。たとえばハイブリッドカーの代表格のプリウス二酸化炭素の排出は少なくなるとしても、経済的には引き合わない。一般の車との差額を燃費に計算したらおおよそ50万キロ走らないと元が取れない計算だ。また家庭用の太陽電池パネルも購入費用に270万ほどかかるという。世界一の太陽電池生産国である日本で、太陽電池がほとんど普及していないというていたらくでは、京都議定書の約束が守れないのも無理はない。それにしてもこの発言どっかで問題になったのだろうか。もし素通りならその方がひどい話だが。